2012年7月18日水曜日

移籍短信

●ビジャレアル、バレンシアからのオファーを一蹴

2部降格により、主力の大量離脱を強いられているビジャレアルだが、
その魂までを簡単に売り渡す気はないようだ。

今夏の移籍の目玉、MFブルーノ・ソリアーノに対し、
隣町のバレンシアが900万ユーロのオファーを提示したが、ビジャレアルはこれを断ったという。

なんとその理由が、昨シーズン、最後から2節目のバレンシアダービーで起こった1件にあるという。

0-0で迎えた後半ロスタイム、バレンシアはMFジョナスの決勝ゴールで勝利。
一方のビジャレアルは、勝ち点1を拾い損ねた。

結局、この1ポイントが残留・降格の分水嶺となったのだが、
ビジャレアル側は、この時のバレンシア側の非情な対応に未だ腹を立てているようで、
今回のオファーに対しても、聞く耳を持たなかったようだ。

ビジャレアルの現会長フェルナンド・ロイグ氏は、かつてバレンシアの大株主でもあった人物であり兄フランシスコに至っては、94~97年までバレンシアの会長を務めていた。


かつては濃い結びつきのある両クラブだったが、
今やその関係性は悪化の一途を辿っているという。


なお、バレンシアは補強ターゲットの変更も検討しているという。
ASローマからレンタルバックしたものの、今季プレシーズンも個人トレーニングを強いられているR・マドリーのMFフェルナンド・ガゴがその候補。
R・マドリーは、700万ユーロ前後での売却を望んでいるというが、
実際の買い取り額は400~500万ユーロで落ち着くのではというのが現地メディアの見方だ。

MFアルベルダの“後継者”を探すバレンシアの夏は、まだまだ終わりそうにない。

http://www.marca.com/2012/07/17/futbol/equipos/valencia/1342519145.html
http://www.as.com/futbol/articulo/llega-millones-variables-bruno/20120718dasdaiftb_27/Tes



●ミチュ、スウォンジーへ?


11/12シーズン、MF登録として最多の15ゴールを記録した、
“ビックサプライズ”ミチュの移籍先が決定しそうだ。

現所属先のラージョ・バジェカーノ首脳陣は、
イングランド・プレミアリーグのスウォンジーからの200万ユーロのオファーにGOサインを出したという。

もともと同選手獲得を目指していたセビージャは、
欧州カップ戦出場権を逃したことによる資金難でボーナス付きのレンタル契約を望んでいたが、
現金への換金を望んでいたラージョ側は、プレミアクラブへの移籍を選択したという。

http://www.as.com/futbol/articulo/michu-punto-fichar-swansea/20120718dasdaiftb_18/Tes


●ウスタリ、ヘタフェと契約解除

ヘタフェに所属していたアルゼンチン人GKのオスカル・ウスタリが、契約期間を1年残した状態で、クラブとの契約解除に合意した。

昨季は、アルゼンチン代表合宿参加中に負傷した膝の怪我もあって、
1分もピッチに立つことがなかった。
ちなみに、08年北京五輪の準々決勝オランダ戦で負傷した左膝靭帯損傷の再発だった。


2007年夏、ヘタフェ史上最高額の600万ユーロで加入するも、
5年間でわずか42試合の出場、60失点に終わっている。

今後は、母国のいずれかのクラブと契約し、再起を図ることになるようだ。

http://www.marca.com/2012/07/17/futbol/equipos/getafe/1342524770.html

2012年7月13日金曜日

消費税増税は、チケット価格にも悪影響を及ぼす

スペインのラホイ首相が発表した消費税率の引き上げ。
政府は13日にも、現行の18%から21%への増税を実施する予定だが、
これがフットボールの世界にも影響すると『AS』紙は伝えている。

影響を受けるのは、以下の2点。
・チケット価格
・クラブ年間会員新規加入料

そして、各フットボールクラブ会長らはこの決定に対し、戦々恐々としている。

というのも、ここ3年以上に渡って政府に要望していた税制特別優遇措置はいまだ認められないなか、今回の決定により、軽減税率が8%→10%へ引き上げられることになったからだ。
*この軽減税率の引き上げは、映画やコンサート、展覧会などの文化事業全体に一律で課せられる予定。

また、新規スポンサーの獲得について、
そのハードルを低くする“メセナスゴ法”の改正も、依然国会で承認されていない。

リーガは来週月曜日にも総会を開き、今回の政府の税率引き上げの影響について協議する見込みという。

この夏には、リーガと各クラブの間で、財務省への債務返済方法について合意に至ったばかり。
*なお、2014/15シーズン以降に返済が滞っている状況にあるクラブは、放映権収入の35%を債務の返済に回されることになる。


しかし、今回の税率引き上げの決定は、ようやく決着をみた上記合意案についても、
白紙撤回される可能性も浮上してきている。


http://www.as.com/futbol/articulo/iva-encarecera-precio-entradas/20120712dasdaiftb_51/Tes

*軽減税率
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%DA%B8%BA%C0%C7%CE%A8


職場を探すオーウェン

元祖“ワンダーボーイ”も、今夏は就職活動に勤しむ日々のよう。

昨シーズン限りでマンチェスター・Uを退団したマイケル・オーウェンが、現在の状況を自身のツイッター上で明らかにしている。

そのなかでオーウェンは、今でも“チャンスを求めている”と現役続行の意思を示しつつも、「決して中位クラスのクラブとは契約しない」とあくまでトップレベルに留まってプレーしたいとしている。

元イングランド代表の32歳のストライカーは今年5月、3シーズンを過ごしたマンチェスター・Uを退団する際、決して引退はしないと宣言。

「もし、良いチャンスに恵まれなかったら、そうなること(=引退)もあるだろう」とツイートしていた。

「僕は、まだトップレベルでやっていけると思っている。マンチェスターでプレーしてきたときも、そのことを証明してきた」

オーウェンは2009年夏、フリー契約でマンチェスター・Uに加入。
加入初年度は、マンチェスター・ダービーでのロスタイムの決勝点(4-3)を含む、公式戦9ゴールを記録している。

とはいえ、2年目から出場機会を徐々に失い、
ゴール数も5ゴール(10/11)、3ゴール(11/12、*全てリーグカップ)と右肩下がりだった。

もっともオーウェン自身は、トップリーグからのオファーが届くことに何の疑いももっておらず、
例えば、リーグ・チャンピオンシップなど2部相当のクラブへの移籍は考えていないという。

「僕は今、32歳。まだ数年はやれる。この年齢になれば、まずプレーできる喜びが何よりも優先される。チャンピオンシップでプレーしたくないというのは、決して馬鹿にしているわけではないんだ。僕は、他の誰かのように、レベルを落としてプレーしたくないと言っているだけだ」

「リヴァプール、レアル・マドリー、ニューカッスル、マンチェスター・U、そしてイングランド代表。それらのチームで、ずっと楽しくやってこられたとは思っていないからね」





2012年7月12日木曜日

バルサ、ソシオ会員数が減少

FCバルセロナのソシオ会員数(*クラブ年間会員)が、減少した。

今年6月30日時点でのソシオ会員数は、前年同時期よりも2.35%減の169.058名。
クラブ史上最高会員数だった、昨年の176.058名より6740名の会員減少となっている。

特に、2004年、当時のファン・ラポルタ会長を中心とするクラブ経営陣が、
ソシオカード取得用にかかる年会費の請求を取りやめてからは、
初めての減少傾向である。

なお、この減少傾向は今後数年続くものと見られている。

というのも、サンドロ・ロセイ現会長を中心とする現経営陣が、
2010年10月、連絡の取れない加入者を退会対象とし、
また同時に、インターネットからの入会募集を廃止したからだ。

以降、正式なソシオ会員に数えられるのは、
2年以上の会員歴があるものに限られることになった。

また、昨今の経済危機によって、更新料が未払いのままになったファンについても、
ソシオ会員数にはカウントしていない。





クリスティアーノ・ロナウドよりも馬に価値あり?

マラガのオーナーであり、カタール王族のシェイク・アブドゥラ・アル・タニ氏が、所有する自慢の馬をツイッター上に公開し、その価値がクリスティアーノ・ロナウドよりも高いことを告白している。

「この馬は現在、世界のどんな高額なサッカー選手よりも価値があるんだ」

同氏によると、おの馬は現在ベルギーで飼われているとのことで、エジプト種だということだ。

これまで、スペインサッカー界では、元アトレティコ・マドリー会長のヘスス・ヒル氏が所有していた“インペリオソ”という名の馬が最も有名だったが、今後数日は“ギャロップ・キング”と呼ばれるこの馬がメディアを賑わしそうだ。


http://www.marca.com/2012/07/11/en/football/spanish_football/1342031301.html


グティ、ついに引退を決断!?

元レアル・マドリーの、ホセ・マヌエル・グティエレス(通称:グティ)の現役引退がいよいよ現実味を帯びてきている。

今週火曜日、グティは、今季2シーズンぶりにプレミアリーグに復帰するウェストハムとの交渉に臨んだが、契約には至らなかった。
また、かねてから噂されていたカタールのクラブからは、具体的なオファーがなかったようだ。


選手本人はこの状況を憂い、スペイクを脱ぐのが最良の選択だという考えに傾きつつある。

2011年11月15日に、トルコのベシクタシュと契約解除してからピッチに立っていないグティ。
ベジクタシュ退団直後には、自身のツイッター上で次のようにもつぶやいていた。
グティ「今後、スペインや欧州でプレーすることはないだろう。これからもプロ生活を続けるとすれば、アジアの国になるだろう」

そして、先月の28日、スペイン『AS』紙に対し、現在の正直な心境を明かしていた。
「あと2年は現役を続けたい。でも、これまでのようにそう簡単に物事は進んでいない。今後10日ほどで、全てが明らかになるだろう」

しかし・・・「天才」と言われた男に追い風が吹くことはなかった。

なお、上記のインタビュー時、『AS』に対して、現役引退後のプランについてこんな風に告白している。
「監督養成コースを受講したい。バルデベガス(レアル・マドリーの練習施設)なら、うってつけだろうね」

この10月に36歳となるグティはこれまで、公式戦通算582試合(レアル・マドリー:542試合、ベシクタシュ:40試合)に出場し、89ゴール(レアル・マドリー:77ゴール、ベシクタシュ:12ゴール)を記録。

プロデビューは、1995年12月2日、対セビージャ戦、19歳のときだった。

以降、レアル・マドリーでは15シーズン、そしてベシクタシュでは1年半の在籍歴がある。

なお、ラウール以上の才能があると言われながら、素行の問題や不安定なプレーぶりから、トータルキャリアのわずか47%の出場時間しか、ピッチ上に立てなかったというデータもある。

獲得タイトルは、
5度のリーガ、3度のCL、2度のトヨタカップ、1度の欧州スーパーカップ、4度のスペインスーペルコパ、1度のトルコカップ。


http://www.as.com/futbol/articulo/guti-ha-decidido-dejar-futbol/20120712dasdaiftb_37/Tes

2012年7月11日水曜日

レドンドの息子がトップチームへ

1990年代後半、レアル・マドリーやミランで金色の長い髪をなびかせ、そのエレガントな姿に"El Principe" (王子様)の異名を取ったフェルナンド・レドンド。


彼は、背番号「5」のイメージを一新したプレーヤーとしても有名です。


というのも、それまでアルゼンチンで背番号「5」と言えば、
伝統的に、チームの中心にして獰猛なエースキラー。
それまで華麗さとは無縁のポジションでしたが、
レドンドの登場によって、その後カンビアッソやフェルナンド・ガゴなどゲームメイクの達人たちが身につける番号へとその意味合いを変えさせたのです。


そんな彼にも息子がいました。その名は「フェルナンド・レドンド」。同名です。

そして今回、地元アルゼンチンの「ティグレ」というチームのプレシーズンで
わずか17歳ながら、トップチーム召集を受けたということです。

スペイン紙『AS』電子版が伝えたところによると、
(こちらも懐かしい・・・)現役時代はビジャレアルなどでプレーしたロドルフォ・アルアバレナ監督が先週、ユースで活躍するレドンドJr.の召集を決断。
このサプライズ召集に、アルゼンチン地元スポーツ紙「Ole(オレ)」が突撃インタビューを慣行したとのこと。

そのインタビューのなかで、レドンドJr.は、
トップチーム召集の連絡を受けた際の驚きと喜びを語り、
父親(フェルナンド・レドンド)からは
「とても嬉しいニュースだし、お前は自信を持って、そして楽しみなさい」とアドバイスされたそうです。

ちなみに、父親がエレガントなボランチだったのに対して、
Jr.の方は、「カカやリケルメがアイドルなんだ」とトップ下の選手であることを強調。
父親と比較されるのは、有名人の息子としての使命ですが、
そのプレーがこの先も注目されること確実です。

*写真は、フェルナンド・レドンド"Jr."。


http://www.as.com/futbol/articulo/hijo-redondo-hara-pretemporada-tigre/20120710dasdasftb_58/Tes

2012年7月4日水曜日

エジルに課せられた宿題

来季こそは、CL制覇を達成するために、
モウリーニョ監督はこの夏、選手1人1人に課題(宿題)を与えているようです。

先に紹介したシャヒンに続き、
今回の対象は、EUROベスト4で涙を呑んだメスト・エジル(ドイツ代表)。

課題はずばり、「得点力のUP」です。
EUROでは、準決勝イタリア戦でのPKによる1得点のみに終わった同選手。

モウリーニョ監督は、元来持っているパスセンスを評価しているものの
ゴール前でより決定的な仕事が出来るよう、改善を要求しているとのこと。

ちなみに、同選手は昨季、レアル・マドリーの公式戦では6ゴール。
*その前年は、公式戦10ゴール


チームがさらなる進化を目指すのであれば、彼のゴール数増加は欠かせないのです。
では、どのようにその課題に向き合えばいいのか?

『Marca』のウリセス・サンチェス・フロール記者は、次のように意見を述べています。


「解決策の1つに、よりアグレッシブに、エゴイスティックにプレーすることが考えられる。
もちろん、今の彼のプレーに責めるべき要素はない。
しかし、まだまだ動きの鋭さを改善することができる。
何もこの件はモウリーニョ監督だけが要求しているのではない。
代表の指揮官、ヨアヒム・レーヴ監督も同じことを求めている」

昨季リーガのアシスト王(メッシの16アシストを上回る、17アシスト)であるように、
そのパスセンスが唯一無二であることは証明されています。
ただし、現状、クリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、イグアインの
トリオへの依存度が高い得点能力について、エジルの成長が不可欠だというわけです。

なお、現在マドリーが獲得交渉中のモドリッチ(トッテナム)について、
前述のフロール記者は、獲得の意図を次のように説明しています。


「彼は、シャビ・アロンソやケディラとペアを組むこともできるし、その一列前でもプレーできる。
それは、エジルへ“ポジション争い”という刺激を与える効果もある。
モウリーニョ監督は誰一人として、息を抜くことを許さないし。
今回はエジルへのその矛先が向けられているのだ」

白い巨人の「10」番を背負う“魔法使い”が、さらに一皮むける姿に期待です。

http://www.marca.com/2012/07/03/futbol/equipos/real_madrid/1341305781.html